板石搭婆
文部省重要美術品指定
昭和16年(1941年)4月9日
昭和8年法律第43号重要美術品保管に関する件第2条の規定依り重要美術品に指定される。
紫雲に乗った三尊の来迎図
明治時代に当山の西方300メートル城北小学校近くの畑地より出土といわれ、秩父産の緑泥片岩で作られ、その絵柄が浄土の阿弥陀三尊来迎図であったことから当山に保管されてきたである。
表面上部には阿弥陀如来を中心に観音、勢至両菩薩を配して美しく線刻され、その周囲には散り蓮華と観無量寿経の一節「光明遍照、十万世界、念仏衆生、攝取不捨」と刻まれ、その下方に宝篋印塔(ほうきょういんとう)の上部も浮き彫りされているが、残念ながらその下側が欠けているので、正確な作成年代や造塔者を知ることが出来ない。
鎌倉時代後期の物と推定される。
高さ:151cm
幅 :45.5cm
「往時、はるばる秩父からの運搬を考えると寄塔者はだれか、またその目的は何かを思うと、その三尊像の下が欠けているのも、三尊像を残す作為が有ったのではないかとのパラドックスが生まれてくる。うがった見方をするなら、これに関する記録がないのも時の権力者目を逃れるためではなかったか」 栃木新聞のインタビューより(三十六世 東 彰道)